提言/報告書

[報告書目次]

アジア地域の安全保障と原子力平和利用

包括的核実験禁止条約の意義とその問題点

斎藤 直樹  平成国際大学教授

はじめに

既存の核の不拡散体制はNPT(核拡散防止条約)とIAEA(国際原子力機関)による保障措置に立脚しているが、NPTとIAEAによる保障措置だけでは核の拡散を防止するうえで必ずしも十分であるとは言えない。その理由として第1に、インド、パキスタン、イスラエルなどのように、NPTに参加していない「敷居国」が存在するが、そうした国に対してIAEAの査察を実施することは問題外となる。第2に、北朝鮮、イラク、イランなどのように、NPTに加盟していながら核兵器を極秘に開発しているのではないかと疑問視される「疑惑国」が存在する。北朝鮮の核開発疑惑を巡る問題は、IAEAによる査察の困難性を例証した。第3に、5つの核保有国はNPT第6条に規定された軍縮に対するコミットメントにもかかわらず、冷戦時代を通じ核兵器の量的並びに質的改善に奔走していた。これらの理由から、NPTとIAEAによる保障措置に基づく不拡散体制を補完し強化する必要性が叫ばれてきた。核の拡散を防止するためには様々な措置が講じられる必要があるが、その中でも、CTBT(包括的核実験禁止条約)は最も効果的な手段であると考えられてきた。このことは、CTBTの立脚する仮説を見れば明らかである。その仮説とは、新たに核兵器を開発し、その信頼性や安全性を引き続き確保するには、核爆発実験が必要であるという前提に照らして、核爆発実験を全面的に禁止すれば、新たに核兵器の開発を行うことが困難になるということである。本稿は1996年9月に国連総会において採択されたCTBTの持つ意義と問題点を取り上げる。

1. CTBTへの道

冷戦時代から核実験を禁止しようとする動きは徐々にではあるが進展してきた。1963年に部分的核実験停止条約(PTBT=Partial Test Ban Treaty)が調印され、大気圏内、宇宙空間、海中におけるすべての核実験が禁止された結果、地下核実験だけが許可されることになった。74年には地下核実験制限条約(TTBT=Threshold Test Ban Treaty)が調印され、150キロ・トン以上の地下核実験が禁止されることになった。これ以降、地下核実験を含み、すべての核実験を禁止することを目的とするCTBTの締結に関心が注がれるようになった。しかし核保有国が核開発を続行しただけでなく、インド、パキスタンなどの諸国も核開発に乗り出してきた状況の下で、核実験を全面的に禁止するとしたCTBTが真剣に取り上げられる機運にはなかった。

しかし1980年代後半に米ソ関係が急速に改善されたことを背景として、米ソ間でSTART-I(第一次戦略兵器削減交渉)などを初めとする軍備管理交渉が急速に進展した。91年12月にはソ連邦が崩壊し冷戦が終結したが、それまでに重要な軍備管理条約の多くが調印され、軍備管理の焦点はそれらの条約の履行に移りだした。他方、核、化学、生物兵器などの大量破壊兵器の軍備管理が冷戦後の重要な焦点として浮上してきた。その中でも特に、核拡散を防止する上で、核実験の全面的禁止の必要性が認識されるようになってきた。核実験の禁止の方向にいち早く動きだしたのはロシアであった。ロシアはソ連時代に使用したセミパラチンスク(カザフスタン)などの実験施設が使用困難となったという理由もあって、いち早く核実験のモラトリアムを実行に移した。こうした状況の下で、ブッシュ政権としても核実験のモラトリアムを開始するよう迫られた。その後、93年1月に発足したクリントン政権はCTBTの重要性を認識し、同条約の採択を重要な政策課題の一つとして位置づけた。これに対し、英国は核実験を行う上で、米国からネバダ実験場を借用してきたこともあって、米国のCTBT政策から強い影響を受けることになる。米国がモラトリアムを開始したことから、英国もそれにならうことになった。またフランスのミッテラン政権もモラトリアムを開始した結果、核保有国の内、モラトリアムを実施しないのは中国だけとなった。

こうした状況推移の下で、1993年8月にジュネーブ軍縮会議は同会議の核実験禁止特別委員会に対し、CTBTをまとめる交渉を開始するよう要請したのである。こうした経緯に基づいて、94年1月から、CTBTを巡る交渉が軍縮会議において開始されることになった。しかし軍縮会議において大きな進展が見られた反面、「敷居国」や「疑惑国」などの参加をCTBTが発効するための条件とするかどうかという問題、低量の核爆発を容認するか、それともあらゆる量の核爆発を禁止するかどうかという問題、さらに現地査察を発動するためには何カ国の賛成を必要とするかという問題などに関し、見解の相違が見られていた。

しかし、1995年4月から5月にかけて開催されたNPT再検討会議は重要な転機となった。同会議において、非同盟諸国は、核保有国に対し核実験の全面的禁止を求める代わりに、NPTを延長することに同意した。核実験の全面的禁止を要求した同諸国がNPTの無期限延長に同意した背景には、核保有国が96年中にCTBTを完成することを公約したことがあった。

クリントン政権は1995年8月にあらゆる規模の核実験を禁止するとした「ゼロ・イールド」案を持ち出し、他の核保有国を説得しようとした。他方、NPTの無期限延長からまもなく、中国とフランスが核実験を再開したことは、非同盟諸国を著しく「逆なで」するものであった。フランスはド・ゴール時代から米国の核の傘に依存することはできないとする独自の核抑止論に基づき、ソ連に対する最小抑止力を保持しようとした。ミッテラン政権はモラトリアムを実施したが、シラク政権はCTBTを受諾するまでに、適正な抑止水準を確保する上で核実験が不可欠であると判断し、NPTの無期限延長が決定した後、国際的非難を浴びながらも核実験を強行した。しかし、96年1月の実験を最後にフランスはCTBTを受諾する意思を表明した。

これに対し、中国は国家安全保障の見地から核実験が必要であるという判断に立ち、フランスと同様に、NPTの無期限延長が決定した直後から、数回の核実験を実施した。また中国は軍縮会議のCTBT交渉においても土木工事のための「平和的核爆発(PNE)」を禁止対象から除外すべきであると主張してきた。しかし、1996年6月の核実験を行った直後に、「平和的核爆発」を取り下げてCTBTを受諾する姿勢に転じた。

これに対し、インドは軍縮会議において一貫してCTBTに対して反対の姿勢を堅持した。インドは中国やパキスタンなどの近隣諸国から核の脅威を受けるという認識の下で、核開発のオプションは手放せないとした上で、CTBTの最終案が先進核保有国の行うコンピューターを使ったシミュレーション(模擬実験)などの先端的実験を禁止しないことに加え、核保有国が核廃絶の期限を明確にしないことを理由に、CTBTを到底受諾できないと主張した。

こうした状況の下で、1996年5月に核実験禁止特別委員会のラマカー議長はCTBTに関する最終案を明らかにした。7月29日にインドは「コンセンサス方式」を取る軍縮会議において、CTBTの最終案を受諾しない意思を表明した結果、軍縮会議におけるCTBTの採択は不可能になった。この結果を受けて、CTBTの最終案は「多数決方式」の国連総会に付託されることになった。9月10日、CTBTは国連総会において、賛成158、反対3、棄権5の圧倒的多数で採択される運びとなった。しかしインドなどがCTBTに反対の態度を取っているため、CTBTが近い将来発効するかどうかは疑問である。

2. CTBTの発効問題

CTBTが発効する条件として、インド、パキスタン、イスラエルなどの「敷居国」や北朝鮮、イラク、イランなどの「疑惑国」の参加を加えるかどうかという問題が、CTBT交渉で重要な争点となった。

CTBTが期待される効果を挙げるためには、CTBTが核保有国だけではなく「敷居国」や「疑惑国」を含めた諸国をも規制対象とする必要があった。何故ならば、核保有国の核開発がCTBTの下で拘束されるものであるとしても、「敷居国」や「疑惑国」がCTBTの対象から除外され、CTBTの枠外で核開発を続行すれば、CTBTの規制効果は著しく減殺されてしまうからである。CTBTが発効する条件として、「敷居国」や「疑惑国」の参加を加えるかどうかの問題が、CTBT交渉で重要な争点となったのはこうした理由による。この結果、CTBTの最終案は5つの核保有国に加え、「敷居国」や「疑惑国」をほとんど包含する44カ国が署名並びに批准を行って初めて効力を発生することになる。

「敷居国」の中で、イスラエルはCTBTの調印に前向きであるという姿勢を明らかにした。パキスタンはインドがCTBTに調印すれば、それに従う意向であることを示した。しかし調印に反対を表明しているインドが近い将来CTBTに署名するとは考えられないため、パキスタンも署名には応じないと予想される。この結果、インドがCTBTに署名しないだろうという予測に照らし、CTBTが今後数年の間に効力を発生することはないと見られている。

これらの「敷居国」を含め44カ国が3年を経過してもCTBTを批准しなければ、批准を促進するための会議が開催されることになる。この時に、CTBTを発効させるためにどのような措置が講じられるか明らかではない。しかし、CTBTが採択されたことによって、「条約法に関するウィーン条約」に従い、条約が実際に発効しなくとも、署名国は条約の制約を受けることになる。その結果、CTBTが正式に発効するまでには今後数年の月日を要することになるだろうが、核実験は事実上禁止となったと言える。特に5つの核保有国がCTBTに受諾したことを受け、これらの諸国が同時に核実験に関するモラトリアムを開始したという事実は重要である(*1)

3. CTBTと「国際監視システム」

またCTBTが実際に順守されることを確保するためには、禁止された核爆発実験が行われることがあれば、それを確実に探知できることが不可欠となる。このことから、ジュネーブ軍縮会議において、そうした核実験を確実に探知するネットワークを世界中に設置することが1995年12月に合意された。こうしたネットワークは「国際監視システム(International Monitoring System=IMS)」と呼ばれている。同監視システムは、地震波(seismic)、放射能(radionuclide)、微気圧振動(infrasound [acoustic])、水中音(hydroacoustic)などの4つの技術を基礎として、CTBTの下で禁止されている核爆発実験が行われたどうかを監視することを目的としている。このシステムは、米国などが運用している「国家保有技術手段(National Technical Means=NTM)」による情報によって補足されることになる。CTBTの下で禁止されている核爆発が起こった可能性を示す証拠が提供されれば、そうした爆発が生じたと考えられる場所において現地査察を実施することがCTBTの下で認められている(*2)。したがって、CTBTが発効すれば、「国際監視システム」と「国家保有技術手段」による監視網が敷かれることに加え、現地査察が実施される結果、非核保有国が核兵器を開発すべく極秘裏に核爆発実験を企てようとする動機は削がれると見ることができる(*3)

4. CTBTの持つ効果

他方、CTBTは必ずしも核兵器の拡散を阻止する上で「万能」ではないと考えられている。過去に南アフリカなどが極秘に核兵器を開発した経験に照らし、核爆発実験を実施しなくとも、「第1世代」のウラン原爆は開発されうることが例証されている。従って、核実験を実施しなくとも、爆撃機に搭載する「第一世代」のウラン原爆を開発できると見られている。しかし核実験を実施することなしに、より高度なプルトニウム原爆や水爆を開発することには困難が伴うと見られる。また、CTBTの下で核保有国も既存の核兵器の技術水準をはるかに越えるより高度な核兵器を開発することは困難になると見られている(*4)

5. CTBTの問題点

既述したように、CTBTは非核保有国と核保有国の両方の核開発を実質的に抑制するものではあるが、妥結したCTBTの内容が問題を持たないわけではない。その最大の問題点は、CTBTの下で幾つかの先端的な核実験が禁止対象から除外されていることに関連する。

核保有国の多くは軍縮会議の交渉中に、低量の爆発を禁止対象から除外するよう求めた。クリントン政権は核兵器の安全性と信頼性を確保する実験が不可欠であるとの判断に立ち、1993年から「核兵器性能維持並びに管理計画(The Stockpile Stewardship and Management Program)」に着手した(*5)。その際、同政権はキロ・グラム級の低量の実験などはCTBTの禁止対象から除外されるよう主張した。これに対して、ロシアやフランスなどは、数百トン規模の核爆発実験も禁止対象から除外されるよう求めた。しかし95年8月にクリントン政権はそれまでの姿勢を改め、核爆発実験の全面的な禁止を意味する「ゼロ・イールド」案を提案した。クリントン政権が「ゼロ・イールド」案を打ち出したことを受けて、中国を除くその他の核保有国もこれに応じる構えを示した結果、CTBTは他の核保有国が主張していた低量の核爆発を禁止することになった。これに対し、中国は「平和的核実験」の除外を求めたが、最終的に取り下げた経緯がある。

にもかかわらず、未臨界実験やシミュレーションなどの幾つかの先端的実験は検証が困難であるという理由から、CTBTの禁止対象から除外される形で妥結したのである。このことは、CTBTの最終案にみられるように、CTBTとは「あらゆる核兵器の実験爆発、又はその他のあらゆる核爆発を禁止する」ものであり、それゆえに必ずしも核実験それ自体を禁止するものではないことを意味している(*6)。インドなどの「敷居国」は、そうした先端的実験の目的は既存の核兵器の信頼性と安全性を確保するだけでなく、新しい核兵器を作り出すためであると疑問視している(*7)

従って、重要な点は、これらの禁止対象から除外された実験を通じて、どの程度まで核兵器を改善することができるかどうかによるが、この点は解釈の分れるところである(*8)。禁止対象から除外された先端的実験を実施しても、それだけでは新型の核兵器を開発することは不可能であろうという見方がある。これに対し、新規に弾頭を開発することが可能であるというという見解も存在する。もし核保有国がそうした実験を通じ核兵器の質的な改善を行うことができるという見方に立てば、CTBTは核保有国の核兵器開発を規制しない反面、後発国の開発を厳しく制限することを意味する。1995年5月に採択されたNPTの無期限延長によって、核保有国が5カ国に固定されたのに続き、これらの5カ国によって先端的技術が占有されることになりかねない。先端的実験がCTBTによって禁止されていないからといって、核保有国がそうした実験を実施しているならば、非難を免れないだろう。

6. 結びにかえて-CTBTに対するインドの対応

CTBTが幾つかの問題を内包するものであるとはいえ、既存の核不拡散体制はCTBTの下で実質的に強化されると言える。しかしそのCTBTが発効するかいかんは同条約を頑なに拒否しているインドの姿勢にかかっている。結びにかえて、ジュネーブ軍縮会議においてCTBTの採択に終始反対し続けたインドの主張とそれに対する反論を取り上げたい。

既述したように、インドはCTBTに反対した理由として、幾つかの理由を挙げた。まず中国やパキスタンなどの近隣諸国から核の脅威を受ける状況の下では、核のオプションを放棄できない。次に、シミュレーションなどのCTBTの下で禁止されない先端的実験を通じ、核保有国は核兵器を引き続き改善することができるゆえに、そうしたCTBTに賛成できない。また、核保有国が核廃絶の期限を明確にしていないが、核廃絶の期限を設定しなければ、核軍縮とは言えない。さらに「コンセンサス方式」のジュネーブ軍縮会議でコンセンサスが得られなかったとして、「多数決方式」の国連総会に付託するのは「悪しき前例」となる。最後に、人口9億を抱えるにもかかわらず、核を保有していないのはインドだけであるとし、インドは核のオプションを強調した(*9)

しかしこうした主張は必ずしも的を得た見解ではないと反論されている。その根拠として、パキスタンや中国からの核の脅威はむしろ限定的であり、決して差し迫ったものではない。次に、核保有国が核廃絶の時期を明示することが困難であることは、ロシアの核の廃棄状況を見れば理解できる。更に、シミュレーションなどを通じて、核保有国が新たな核兵器の開発を行うことは実際には困難である。加えて、インドはCTBTの下でも、「第1世代」のウラン原爆を開発することができることから、インド政府が頑なにCTBTを拒否したのは、プルトニム原爆や水爆を開発しようとしているからにほかならない。最貧国であるインドが核開発を行うことは、貴重な国家予算の大部分を軍拡に注ぎ込むことになり、国内の経済問題は一層深刻になる(*10)

インドの主張はCTBTの内包する問題を鋭く批判したものであると言える。何故ならば、採択されたCTBTの内容はある意味ではNPTと同様に、問題を全く持たない完備されたものではないからである。しかし、NPTやCTBTに対し真っ向から背を向け、国際社会で孤立を深める形で核開発を続行することが、9億人の人口を抱え途上国の中でも厳しい経済状態に置かれたインドの将来にとって望ましいと結論することは、反論の中で厳しく指摘されているように、極めて疑わしいと言えよう。

  1. Spurgeon M. Keeny, Jr. and Craig Cerniello, "The CTB Treaty: A Historic Opportunity To Strengthen the Non-Proliferation Regime," Arms Control Today, August 1996, p.16.
  2. 現地査察が実施されるためには、51カ国からなる「執行理事会(Executive Council)」のうち、過半数以上の国が現地査察の実施を承認する必要がある。
  3. CTBTに批判的な人は、「国際監視システム」によっても非常に低量の核爆発は完全には探知されないと主張するが、そうした主張は誇張されたものである。「国際監視システム」と「国家保有技術手段」による監視の下で、潜在的な違反者は核爆発実験がほとんど確実に探知されるリスクを背負うだろう。より重要であることは、監視網をかいくぐるような非常に小規模の爆発であれば、技術的には重要な意義を持たない反面、技術的に重大な意義を持つような爆発実験は確実に探知されることから、政治的に重大なリスクを負うということである。その結果、そうした爆発実験を企てようとする動機は削がれるだろう。"The CTB Treaty: A Historic Opportunity To Strengthen the Non-Proliferation Regime," p. 16.
  4. 例えば、中国が核実験を行ってきた主要な動機は、MIRV(個別誘導複数目標弾頭)の配備に適切な核弾頭を開発することであった。しかし、CTBTの下で、中国の核兵器の近代化計画は厳しく拘束されるだろう。同様に、CTBTの下で、米国やロシアが「特別目的兵器(special purpose weapons)」を開発することは困難となると言える。Ibid., p.15.
  5. "The Stockpile Stewardship and Management Program: Maintaining Confidence in the Safety and Reliability of the Enduring U.S. Nuclear Weapon Stockpile." U.S. Department of Energy, Office of Defense Programs, (May 1995.)
  6. CTBTの最終案の第1条の「基本的義務」の第1項は以下のように規定している。Each State Party undertakes not to carry out any nuclear weapon test explosion or any other nuclear explosion, and to prohibit and prevent any such nuclear explosion at any place under its jurisdiction or control. このように、「あらゆる核兵器の実験爆発、又はその他のあらゆる核爆発」が禁止されることは明らかであるが、核実験自体が禁止されるという明白な規定が第1項からは見あたらない。このことから、核爆発を伴わない核実験が必ずしも禁止対象とはされないとする解釈が導きだされる。"Chairman's Draft Text of the Comprehensive Test Ban Treaty," Arms Control Treaty, August 1996, p. 19.この点に関連して、インドは、インドがCTBTを拒否した理由の一つとして、シミュレーションなどの先端的実験を禁止しないことを強調した。インドの主張によれば、CTBTとは、一部の核実験を禁止対象から除外したように、「核爆発実験禁止条約」ではなく「核爆発禁止条約」だということになる。小山哲哉、「インドの署名拒否で発効が不透明に」、「世界週報」、(1996.7.23)、14頁。
  7. 奥山昌志、「CTBT:インド国内の賛否両論」、「世界週報」、(1996.10.1)、29頁
  8. 前掲、「インドの署名拒否で発効が不透明に」、15頁
  9. 前掲、「CTBT:インド国内の賛否両論」、28-30頁
  10. 前掲、「CTBT:インド国内の賛否両論」、30-31頁

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