世界の核兵器の現状

核軍縮・核廃絶のために
核兵器保有国・核兵器保有疑惑国・核兵器を
開発しようとした国

一般社団法人 原子燃料政策研究会
(更新:2020年10月)

NPT条約

  • NPT条約(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons:核兵器の不拡散に関する条約)は、1968年7月1日に署名のため開放、1970年3月5日発効。
    • NPT条約の規定による1967年1月1日までに核を持った国は、米国、ソ連(ロシア)、英国、仏国、中国の5カ国(国連常任理事国)のみ。
    • NPT条約の締約国は、2020年10月現在191カ国。非締約国には インド、パキスタン、イスラエル、南スーダン。(南スーダン共和国は非核兵器国、2011年7月9日に建国され、2011年7月14日に193番目の国連加盟国となる。)
    • 北朝鮮は、1993年にNPT条約脱退を表明、1994年に国際原子力機関(IAEA)も脱退表明し、2003年に脱退。2005年2月10日に公式に核兵器の保有宣言を行い、2006年10月9日に最初の地下核実験を実施し、2017年9月3日までに6回実施(以降実験無し)。

核兵器保有国(NPT規定保有国)

  • 米国は、マンハッタン計画(1942年10月~1947年1月1日)により、ウラン爆弾、プルトニウム爆弾を1945年末までに6発(広島・長崎までに4発、その後2発)製造。そのうち1発(Pu爆弾)を核実験(Trinity Test:Pu爆弾)に、1発を広島に投下(U爆弾)、1発を長崎に投下(Pu爆弾)した。
  • ソ連は、1949年に1発を保有
  • 英国の核は、当初、自国で開発し、1953年に1発保有
  • 仏国は、1964年に4発製造・保有
  • 中国は、仏国と同年1964年に1発製造・保有

NPT枠外の核兵器保有国(NPT規定保有国ではないが、核実験をして、明らかに核兵器を保有している国)

  • インドは、1974年5月に最初の核実験を実施。現在150発保有(SIPRI YEARBOOK 2020)
  • パキスタンは、1998年5月に最初の核実験を実施。現在160発保有(SIPRI YEARBOOK 2020)
  • 北朝鮮は2005年2月10日に4発持っていると宣言。ウラン濃縮施設、Pu生産炉の稼働により、濃縮ウラン、プルトニウムを保有していると見られ、2019年時点で「30~40発程度」保有していると予測(SIPRI YEARBOOK 2020)

核兵器保有疑惑国、元核兵器保有国、その他(NPT規定外の核兵器保有国)

  • イスラエルは、持っているとも、持っていないとも発言していない。しかし、1967年に保有か? 現在、水爆も含めて90発程度保有と予測(SIPRI YEARBOOK 2020)。SIPRIの2020年のYearbookでは、核弾頭のおおまかな保有数として、戦闘機搭載核爆弾 30発、ミサイルJericho-II 25発、Jericho-III 25発、巡航ミサイルは不確実ではあるがSLCMとして10発、合計90発保有と想定。
  • 南アフリカは、1982年に核保有し、1991年にNPTに加盟する前に核解体(6発:核爆弾)したとデクラーク大統領が宣言(1993年)。小型化した核(ミサイルの核弾頭?)を数十発保有していたとの報道もある。
  • イラクは作ろうとしたができなかった。濃縮工場建設に失敗(イラクの核兵器開発は米国のでっち上げとも言われているが)。
  • イラン
    • 「平和利用」と称してウラン濃縮工場(遠心分離法)を建設
    • 2013年8月3日より「ハサン・ロウハーニー大統領」となる。(ハサン・ロウハーニー(Ḥasan Rowḥānī 又はRouḥānī)、1948年11月13日~)
    • 2013年10月15日からジュネーブでイランの核開発を巡る「国連・安保理5カ国+ドイツ」の交渉で、11月24日にイランが核開発を制限する見返りに、6カ国が凍結資産の解除など一部制裁緩和をすることで合意。
    • IAEAが2014年7月20日、イランが濃縮度20%ウランの廃棄作業を完全に終了していないとの報告書を作成。
    • 米国トランプ大統領が、2018年5月8日にイランとの核合意(オバマ大統領が合意)からの離脱を表明。
  • ブラジルとアルゼンチン
    • ブラジルの軍事政権(1964年~85年)が、1974年5月のインド核実験を契機に、1974年6月の軍の会議で、ガイゼル大統領が「近い将来アルゼンチンも核実験する可能性がある」として、核開発の促進を発言。
    • 両国間の対立から、それぞれに1950年代から核開発を進めていたが、1980年代に両国の民政移管後、1990年代に共同で核開発を停止すると宣言した。両国とも技術的に核兵器の製造までには至らなかったとされている。
    • なお、ブラジルはウラン濃縮(遠心分離法)工場を稼働中。アルゼンチンはガス拡散法のウラン低濃縮工場(パイロット施設20トンSWU/年)を1980年代に、リオネグロ州ピルカニエウ複合技術施設(CTP)で稼働し、1990年代に解体。2015年11月30日にはやはりCTPで、3,000トンSWU/年規模を目指す低濃縮ウランの新工場の開所式を挙行。
  • リビア
    • 核兵器開発計画を中止(2003年12月)。 2004年8月30日 NPT保障措置履行。
    • リビア(当時、カダフィー統制)は、英国、米国に核兵器開発の計画を中止する旨の申し出でをするが、完全な放棄には至らず(2003年4月?)
    • パキスタンのアブドル・カディール・カーン博士の行動チェックから、2003年10月4日 に リビヤの核兵器開発用の遠心分離器の部品(P2)がスエズ運河航行中のドイツ船籍船で押さえられ、リビアの核兵器開発が発覚。PSI(Proliferation Security Initiative:拡散に関する安全保障構想)の地中海活動が功を奏し、これがリビアの2003年12月の核開発放棄宣言へとつながった。英米との協議の末と説明。
      (PSI=参加国共同による移転(Transfer)、輸送(Transport)の阻止。2003年5月31日に、米ブッシュ大統領がポーランドのクラコフで PSI構想を発表し、日・英・伊・蘭・豪・仏・独・スペイン・ポーランド・ポルトガルの10カ国に参加を呼びかけ➔2016年7月現在、参加国は105カ国に)
      (アブドル・カディール・カーン博士(Abdul Qadeer Khan)1936年4月1日~)
  • シリア
    • アサド大統領は、北朝鮮から技術導入。
    • 2007年9月まで秘密裏に核施設(Pu生産用原子炉)を、北朝鮮の技術支援で建設したと考えられている。
    • 2007年9月6日に、シリアの核施設をイスラエルが空爆(北朝鮮技術者10人死亡と報道(米紙))。
    • 2008年4月24日に米国議会秘密公聴会で米政府が、「シリアが原子炉建設をIAEAに通報せず、空爆後も証拠を隠滅」と説明。シリアのアサド大統領は「軍事施設で核施設ではない」と反発。
      (バッシャール・アル=アサド大統領(Baššār Ḥāfiẓ al-Asad)1965年9月11日~)
  • キューバ
    • キューバがソ連に対し核ミサイルの持ち込みを要請、後にソ連が撤去(162発)。キューバ危機(1962年10月)ケネディ=フルシチョフ時代(当時の米国の核兵器数25,540発、ソ連3,346発保有)
    • 2008年2月24日、フィデル・カストロ、国家評議会議長・閣僚評議会議長(首相)退任し、ラウル・カストロと交替。
    • 2014年12月17日、米国オバマ大統領がキューバとの国交正常化交渉を開始すると発表。正常化交渉が続けられる(1961年1月3日以来、米国はキューバと国交断絶していた)。
    • 2015年1月16日、米国は関係改善のために経済制裁を一部緩和(キューバと中国は経済、軍事で親密関係)。
    • 2015年4月11日、パナマ市で、オバマ大統領とラウル・カストロ国家評議会議長が国交断絶後初めて、59年ぶりに会談。
    • 2015年4月14日、オバマ大統領がキューバの「テロ支援国家指定」解除通告を米議会に通告。その後の45日間に連邦議会も解除に反対しなかったことから、2015年5月29日にリストからの除外が正式に決定。
    • 2015年7月20日、米国、キューバが相互に大使館を設置し、1961年に断交して以来54年ぶりに国交回復へ。
    • 2016年3月20日にオバマ大統領は、現職の合衆国大統領としては1928年のカルビン・クーリッジ大統領以来88年ぶりにキューバを訪問。
      (フィデル・アレハンドロ・カストロ・ルス(Fidel Alejandro Castro Ruz)1926年8月13日~2016年11月25日)
      (ラウル・モデスト・カストロ・ルス(Raúl Modesto Castro Ruz)1931年6月3日~)
      (カルビン・クーリッジ大統領(John Calvin Coolidge, Jr.)1872年7月4日~1933年1月5日、アメリカ合衆国第30代大統領)
      (オバマ大統領(バラク・フセイン・オバマ2世(Barack Hussein Obama II)1961年8月4日~、第44代大統領)
  • ウクライナ
    • 1991年時点でソ連の核弾頭5,000発(Strategic & Tactical)が配備されていたが、1996年6月1日までにその全ての核兵器をロシアに移管としているが、一部自主的に廃棄か。
    • クチマ政権時(1994~2003年)に、核弾頭搭載可能な旧ソ連製巡航ミサイル(X-55:射程距離3,000km)18基が中国とイランに不正輸出(2005年3月、ウクライナ検察当局が認める)。
    • ウクライナでは、ロシアに引き渡したはずの内の核弾頭250発が行方不明?(2005年12月19日、読売新聞)
    • ヤヌコビッチ大統領が、2010年4月12~13日のワシントンDCでの核サミットで、12日、オバマ大統領との会談において、2012年までに国内に備蓄されている高濃縮ウランを全て破棄と表明。(核兵器数個分・ロシアに移送)
    • 2014年2月24日、ヤヌコビッチ氏は大統領を解任された。
      (レオニード・ダニロヴィッチ・クチマ(Леонід Данилович Кучма)1938年8月9日~)
      (ヴィークトル・フェードロヴィチ・ヤヌコーヴィチ(Viktor Fedorovych Yanukovych)1950年7月9日~)

その他

  • ヨルダン
    • ヨルダン国王(アブドゥッラー2世)が、2007年1月19日のイスラエルの「ハーレツ」紙のインタビューで、「ヨルダンは、民生目的の核計画の準備を望んでいる」と述べ、「中東全域において核問題に関する根本原則が変化した。ヨルダンは核兵器のない中東地域を目標にすることを望んでいたが、昨夏以降は全ての国々が核計画の保有に努めている」と語った(ヨルダンはNPT加盟国)。
    • 国王のこの発言には、核兵器開発計画ではなく、原子力平和利用計画と思われるが、曖昧(外交上の駆け引きのための曖昧さか? 翻訳の問題か?)な表現。
    • 2008年5月31日、フランスとヨルダン両国が「核エネルギー開発計画」で合意。フランスが民生目的で原子炉建屋や海水脱塩化などで技術協力(CNN Japan)。フランスとの合意で、平和利用と、IAEAの保障措置受け入れ、平和利用についての方向性が明確になった。
    • 2010年9月10日、ヨルダンのアンマンで、日本とヨルダン両政府が「原子力利用協力協定」を締結。2012年2月7日発効
  • ミャンマー
    • 2人の亡命者の証言として、北朝鮮の協力で、極秘裏に核施設を建設し、2014年までに原爆を保有することを目指しているとの記事(オーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルド)。
    • 2002年にミャンマーはIAEAの査察を受け入れており、それによると、核の軍事転用は不可能だとの意見もある。
    • 2010年6月4日、中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」は、ミャンマー軍政が核兵器開発に着手した証拠があると報じた。
    • 2012年6月2日に、フラ・ミン国防大臣が、テイン・セイン政権下で核開発は停止されたとし、同時に平和利用が目的であり、核兵器開発の意図はなかったとしているが、疑惑は払拭されていない。
    • 2015年11月8日のミャンマー総選挙で、アウンサンスーチー氏のNLD(国民民主連盟)が圧勝。軍事政権(1958年10月~)が終焉したと思われたが、未だ議会の20%の議席を保有。
  • サウジアラビア
    • トルキ王子(情報機関トップ、駐米大使の経験者)が、2011年12月5日、首都リヤドで開催された安全保障関連の会合で、イスラエルやイランに対抗するために核兵器の「保有を含むあらゆる可能な選択肢を検討することが国民への義務だ」と発言(フランス公共ラジオ→共同→産経)。
    • サウジアラビアとパキスタンの秘密協定:パキスタンの核開発にサウジアラビアが資金を提供。サウジに対抗するイランが核兵器を持った時には、速やかにパキスタンの核兵器をサウジに展開する協定。日本の外務省もこの秘密協定を前提に外交を実施(「大世界史」現代を生きぬく最強の教科書-池上彰・佐藤優 共著:文春新書2015年10月20日刊行)
  • その他・闇市場
    • ソ連(ロシア)の計数外核兵器・核物質、さらにソ連崩壊後の技術者の流出(ロシアについては国際科学技術センター(ISTC)が協力して流出防止しているが・・)。
    • パキスタンのアブドル・カディール・カーン博士のウラン濃縮技術(遠心分離法)
    • 核物質の盗難、等々(過去15年間に濃縮ウラン(低濃縮)の盗難が世界中で400件。盗まれたウランの65%がまだ回収されていないとされている)
    • 米国や当時のソ連が、原子力平和利用における米・ソそれぞれのシェアーを広げるため、世界各国に平和利用の研究のための研究炉(低濃縮ウラン)を提供したが、その後、研究の効率を高めるために20%以上の高濃縮ウランを提供した。その高濃縮ウランの回収を今、米国、ロシアが進めている
    • 通常兵器の闇市場が核兵器、核物質の取引を行っているともいわれている。

【言葉】キューバ危機(1962年10月)

  • 米国の対応(カストロに対するアイゼンハワー大統領の非礼と、ニクソン副大統領の報告がカストロを「共産主義者」と明言)に憤慨。その後、ケネディ大統領の時の1961年4月15~19日に、カストロの政権打倒を図るキューバ侵攻作戦(ピッグス湾(コチノス湾)上陸侵攻作戦:CIA中心)が失敗。この策略はケネディには知らされなかったと推測されている。この時の米国政府のデータは、公表が規定されている25年後以降も公表されていない。(1966年連邦政府情報公開法制定、1974年改正、96年電子文書情報公開法制定)この事件直後にキューバは、ソ連に急接近、ソ連は核ミサイルを持ち込む。
  • 1962年10月14日、米軍U-2偵察機がキューバでソ連製中距離弾道ミサイルを発見。ケネディは、国防総省、CIAのキューバ・ミサイル基地空爆の主張を抑えて、キューバ周辺の公海での海上封鎖、ソ連船の臨検を行うこととなった。それにより、頻繁にキューバに入港していたソ連船は引き返した。
  • 1962年10月22日、ケネディ大統領がテレビ演説し、米国民に、ソ連がキューバに核ミサイルを持ち込んだことを発表。
  • 米国は、ソ連との全面戦争に備え、核弾頭ミサイル(アトラス、タイタン、ソアー(IRBM:中距離弾道ミサイル)、ジュピター(IRBM))の発射準備態勢(デフコン2:デフコン1が戦闘状態、1~5まで5段階)に移行。日本、トルコ、英国などの駐留軍も同様。ソ連も国内のR-7(NATO名 SS-6:射程8,000km)やキューバのR-12を発射準備態勢にした。
  • 米空軍は、キューバ爆撃のために、B-52重爆撃機と、1,627発の核爆弾を準備していたとされる。この時の米空軍の指揮官が、無差別空爆を企画・実施した「カーチス・ルメイ」(NHK「映像の世紀」より)。
  • 1962年10月26日、ソ連から、「米国がキューバへの軍事行動を中止するなら、キューバからの核ミサイルを撤去」との妥協案提案。
  • 次の日の10月27日(土)にさらに、ソ連は、キューバの核ミサイル撤去とのバーター取引として、米国がトルコに配備したジュピター・ミサイルの撤去を要求。米国怒る。同日、キューバ上空の米国のU-2偵察機がソ連製地対空ミサイルで撃墜され、「暗黒の土曜日」と呼ばれるほど第3次世界大戦の勃発が現実視された。
  • この1962年10月27日にケネディ大統領は、ソ連の最初の条件を受け入れることを発表。また弟・ロバート・ケネディ(後に暗殺される)に命じて、第2の条件(トルコからのジュピター撤去)の受け入れも極秘裏にソ連大使館に告げた。
  • 1962年10月28日、フルシチョフは、モスクワ放送で、キューバからのミサイル撤去を表明。ケネディもキューバへの武力侵攻を行わないことを約束。さらに、1963年4月にトルコのNATO軍のミサイルを撤去した。ケネディによるトルコのミサイルの撤去の決定は、フルシチョフとの交渉で呑んだもの。国防総省、CIAなどは、猛反対したと思われる。このトルコからのミサイル撤去決定は、一般的には後になってから判明。
  • ケネディはこの他、ベトナム戦争も早期撤退を計画、国防総省と対立。
  • キューバ危機の前の1961年(?)に「移動式ミニットマン計画」(鉄道での移動式ミサイル発射計画:空軍)をケネディ大統領が承認せず。
  • 1963年11月22日(金)、テキサス州ダラスでケネディ大統領(1961年1月20日大統領就任(在任:2年10ヶ月間):民主党)が暗殺される。
  • 1964年10月、フルシチョフも米国に譲歩しすぎで失脚。

世界の核実験回数(1945-2019年)

世界の核実験回数(1945-2019年)

(A:大気圏あるいは水中 U:地下)

  • 1945年の米国の「3回」の核実験は、「トリニティ・テスト」、「広島」、「長崎」。
  • 1997年以降、米・露・英・仏・中(NPTの5核兵器保有国)が核実験を停止(未臨界実験は除く)。
  • 1998年にインドとパキスタンが2回ずつ。
  • 北朝鮮は、2006年10月9日、2009年5月25日、2013年2月12日、2016年1月6日、2016年9月9日、2017年9月3日の合計6回の地下核実験を実施。6回目の核実験は水爆と自称。
  • 米国は1970年代までに大半の核実験を済ませ、水爆の小型化が完了している。Minuteman-III(現役、初めてのMIRV)1970年に配備完了。
  • 2005年7月1日、米国上院本会議で、核弾頭付きバンカーバスター(特殊貫通弾)の研究費400万ドルの一部を2006年度予算として承認。
  • ソ連は、MIRV化が米国に出遅れ、1970年代も小型化の実験が続く。
  • イギリスは途中から米国の実験に相乗り。(1958年米英相互防衛協定:US-UK Mutual Defense Agreement)

(2020年4月16日 10:27 読売新聞)【ワシントン=蒔田一彦】「中国、新疆ウイグル自治区で低出力核実験か…米報告書」

  • 米国務省は15日、核不拡散や軍縮に関する年次報告書を公表し、中国・新疆ウイグル自治区にある核実験場で昨年中に活発な動きが確認されたと明らかにした。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、中国が秘密裏に低出力の核実験を実施した可能性を指摘するものだと報じた。
  • 報告書によると、新疆ウイグル自治区のロプノール実験場で、大規模な掘削活動などが年間を通じて確認された。また、核実験全面禁止条約(CTBT)に基づいて中国国内で観測されている放射線や地震動などのデータ送信が頻繁に遮断されたという。報告書はこうした動きについて、爆発を伴う核実験を凍結するという国際合意の順守に関して「懸念が生じている」と指摘した。
  • 米中を含む主要核保有国は、爆発を伴う核実験の凍結を表明している。ただ、1996年の国連総会で採択されたCTBTは、米国や中国などが批准していないため、発効していない。

世界の大気圏・地下核実験の推移

世界の大気圏・地下核実験の推移
  • 1962年頃から地下核実験に急速に移行。大気圏での核実験が世界的な大気汚染を引き起こした。
  • 1945年の「3回」の実験は、「トリニティ・テスト」「広島」「長崎」。
  • 2006年、2009年、2013年、2016年(2回)、2017年の地下核実験は、北朝鮮。(CTBTOのHPより)
  • 中国のその後の度重なる大気圏核実験により、その放射性物質が偏西風に乗って日本を汚染。茨城県衛生研究所(1972年以降「公害技術センター」に改組)の「雨水・降下塵中の全β放射能測定結果(グラフ)によると、中国が大気圏での核実験(1964~1980年23回)を行った初期の1966~1972年に、茨城県に降下した放射性降下物(フォールアウト)は飛躍的に増え、1970年には 17,000Bq/m²に達している。
  • 他の資料では、1966年12月30日に石川県輪島市で、雨水による全β放射能降下量は 207,200Bq/m²(資料表示は 5,600mCi/km²/日)、1967年1月1日に鳥取県米子市で同様に、136,900Bq/m²(資料表示は 3,700mCi/km²/日)が中国からの降下量である。

核実験国・被核実験国(イメージ図)

核実験国・被核実験国(イメージ図)

(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

  • 核を使用された、核実験された国・地域の「〇」がその地点で、その色が、核を使用した国の色。(例えばオーストラリアの紫色の丸は核実験国「英国」の色)
  • 国の色が黄緑色の国(日本、アルジェリア、オーストラリア)は、他の国により核実験された国。日本は米国が、アルジェリアはフランスが、オーストラリアは英国が「核実験」を実施。
  • 桃色の国(ウクライナ、(北から南に)カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン)には、ソ連時代に核実験場があった。(核兵器国は身勝手)
  • アフリカの南の海上の灰色の丸と「?」は、1979年に「スパイ衛星VEGA」が2度の閃光を確認した地域で、南アフリカとイスラエルの共同核実験と考えられている。
  • 英国が核実験を実施したオーストラリアの地域は、「マラリンガ」と「エミュ」実験場で、12回。「アデレードAAP」によれば、2009年12月18日に、1953年~1963年まで英国の核実験場として使用された「マラリンガ」の土地がようやく先住民アボリジニに返還。(核実験場で返還されていない最後の土地がまだある:アボリジニの聖地)(1984年から少しずつ返還)
  • この図には、北朝鮮の自国内での核実験は含まれていない。

核兵器保有国の核兵器数

核兵器保有国の核兵器数

(出典:Bulletin of the Atomic Scientists : Nuclear Notebook: Nuclear Arsenals of the World)
(表の左半分の青い部分がNPTに規定の核兵器保有国、右側の緑部分がNPT規定以外の核兵器保有国)

  • 1945年末に米国が2発保有。(広島、長崎に投下後、さらに2発製造)
  • 1949年にソ連が1発、1953年に英国が1発、1964年に仏国が4発、中国が1発保有。
  • 1967年にイスラエルが2発、1998年にインド、パキスタンがそれぞれ保有。
  • 1974年のインドの「*」印(1974)は、核実験。
  • 核の保有数では、米国は1967年に最大31,255発、ソ連は1986年に最大40,159万発と予測。
  • 北朝鮮の2006・2009・2013・2016(2)・2017年の「*」印は、核実験。
  • Sputnik Franceの「SPUTNIK INTERNATIONAL」(2015年2月25日)によれば、今後5年間で北朝鮮の核兵器が100発となると、米国の北朝鮮関連調査員の「Joel Wit」氏が言っているとしている。現在は30~40発、最悪のシナリオでは2020年には100発になる(?)と予測。
  • 1978年に米国とソ連の核兵器数が逆転(ソ連が超過に)。翌年の1979年に核凍結の動きが起こり、大統領選でカーターがレーガンに負けることとなった。
  • ソ連は、1979年にアフガンに侵攻。
  • 1989年12月2~3日、マルタ島の米ソ・マルタ・サミットでブッシュとゴルバチョフにより、冷戦終結を宣言。
  • 米国は、1万発あった核兵器を、2007年1年間で5,400発に半減したと発表。
  • 2010年5月3日開催のNPT再検討会議で、米国クリントン国務長官が、2009年9月30日現在で5,113発と発表。1967年の31,255発(米国の最多)に比し84%減少。そのデータによれば、2004年以降、順次削減を行っていた。(国防費の削減)

オバマ大統領(バラク・フセイン・オバマ2世:Barach Hussein Obama II)

  • 大統領選挙運動中(2007年10月2日、シカゴでの演説)民主党大統領候補:「米国は核兵器の存在しない世界を求めている」(Here’s what I’ll say as President:America seeks a world in which there no nuclear weapons.”・・・)と言いつつ、「しかし、一方的な軍備撤廃はしない。核兵器が存在する限り、我々は強い核抑止力を維持する」とも発言。
  • オバマ大統領:2009年1月20日~2017年1月(2期8年)
  • 大統領就任後のチェコ訪問中(2009年4月5日、プラハでの演説)、オバマ大統領は、公約に掲げた「核兵器無き世界(a world without nuclear weapons)」の実現に向け、核軍縮交渉の推進、CTBT(包括的核実験禁止条約)の批准、大量破壊兵器の拡散防止強化などを柱とする包括構想を明らかにした。
    「米国は核兵器を使用した唯一の核兵器保有国として行動する道義的な責任(moral responsibility)がある。」
  • 2009年12月10日、ノーベル平和賞を受賞。
  • 2016年5月27日、岩国基地(広島訪問に先立ち)の米軍人を前での演説で、「・・・かつての敵はパートナーだけでなく最も強固な同盟国になったのです。この同盟がまさしくここで示されています。本当にこれは良い例です。信頼、協力、そして日本と米国の間の友情であります。米国の海兵隊が日本の自衛隊とともに平和を守ろうとしています。・・・」(2016年5月27日 産経新聞)
  • 2016年5月27日、現職大統領として初めて広島を訪問したオバマ大統領は、「恐怖の論理に捕らわれず、核兵器なき世界を追求する勇気を持たなければならない」と演説。( 2016年5月27日 朝日新聞)
注)
2011年2月5日に発効した「New START」以来、米国、ロシアの核については「Bulletin of the Atomic Scientists」でも「Dismantlement」(解体待ちの数)としての項目表示が増えた。その結果、「Stockpiles」と「Inventories」とに表現方法が変わっている。
「Stockpiles」+「Dismantlement」(解体待ちの数)=「Inventories」 となる。

米国、ロシア、英国、フランス、中国の核兵器保有数推移

米国、ロシア、英国、フランス、中国の核兵器保有数推移

(データ:Bulletin of the Atomic Scientists)

  • 米国の核はおそらく実数。ロシアの核は米国との核軍縮交渉での報告数(?)(他の国は米国研究者の予測値)
  • 米国、ソ連/ロシアに比べ、英国、仏国、中国の核保有数は、横軸(X軸)に沿うほどに少ない。(米国・ロシアを省いた国々のグラフは次スライドで)
  • 米国・ロシアが核兵器を減少させている要因は、核兵器の性能向上やCEPの精度向上による小型化・配備数削減、さらに核軍縮交渉の結果にもあるが、最も大きな要因は、ソ連の経済破綻(1991年12月25日、ゴルバチョフ辞任)であり、米国の国防予算の縮小である。
    (CEP:Circular Error Probability;平均誤差半径=半数必中界=半数命中半径)

英国、仏国、中国、イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮の核兵器保有数推移

英国、仏国、中国、イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮の核兵器保有数推移

(米国、ロシア以外の核兵器国のデータ)
データ: Bulletin of the Atomic Scientists SIPRI Yearbook 2020

  • 英国、フランス両国は、核兵器保有してから20年~26年で500発以上を保有するようになったが、その後、冷戦の終結と共に保有数も減少し、2000年、2001年頃から一定数で安定化している。
  • 上記資料によれば、英国は、1953年に自国製の核兵器を保有するに至ったが、その5年後の1958年には、英国に米軍の核爆弾148発が配備され、1976年には392発となり、英国の核との合計で892発に達した。(米国はソ連に対し、英国独自の核配備数以上の数の核配備の必要性を感じていたためか)
  • 核兵器の性能向上のためか、1979年以降、米軍による英国への配備数は減少し、冷戦の終結に伴い、1991年以降、米国の核配備は終了したこととなっている。(配備した核を1991年に撤収し、1992年にはゼロに)
  • その他ヨーロッパには、1954年以降、ベルギー、西ドイツ(ドイツ)、イタリア、オランダ、トルコに、米軍により核爆弾が配備。
  • 上記雑誌(Bulletin)を発行している「the Federation of American Scientists」のH.P.によれば、2020年にもヨーロッパで米国の核兵器数(B61核爆弾)は、ベルギー20、ドイツ20、イタリア(2軍事基地)20・20、オランダ20、トルコ50 と、合計150発が配備されている。
  • 中国、イスラエルは、冷戦終了とは関係なく保有し続けている。特に中国の核保有数の推定は確度が低いと思われ、かなりな量を保有し、しかも増加させていると思われる。中国が公表する軍事予算にしても、実際の1/3以下というのが専門家の指摘。
  • インド、パキスタンは、両国間の核軍拡競争のためか、増加傾向である。インドは中国の核に対しても注視しており、今後も削減の見込みはないだろう。
  • 北朝鮮の核兵器の数については、上記資料には2014年版に「<10」の記載がなされたが、2度の核実験を経て、2010年頃から徐々にその保有数を増加させていると考えられる。韓国のメディアでは、北朝鮮が核の小型化も図っているとの報道もあり、このグラフでは敢えて、同上資料のデータでも、北朝鮮の核兵器数を2010年1発、2014年5発、2015年8発、2016年10発、2018年10~20発、2019年30~40発と、2020年の報告では2020年1月の値を2019年と同じと予測している。(さらに増える可能性あり?)

1940~1996年までの核兵器関連プログラム費用

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(ブルッキングス研究所試算:1996年ドル換算)

  • 米国の1940年から1996年まで57年間の核兵器開発総費用が5兆8,208億ドル。
    (将来の解体・廃棄物処理費用を含む最小概算額)
  • 最も費用が掛かるのが、核兵器の配備費用(項目2行目)(55.68%)である。

米国の核兵器開発費用(1940~1996年試算)
1940~1996年までの核兵器関連プログラム費用

米国の核兵器開発費用(1940~1996年試算)

(ブルッキングス研究所試算)

  • 米国の1940年から1996年まで57年間の核兵器開発総費用 5兆8,210億ドル。
  • 最も費用のかかるのが、核兵器の配備費用(灰色の部分:55.7%)である。

米国の核開発費用
1940~1996年の57年間の国家予算・各項目別順位

米国の核開発費用

(ブルッキングス研究所試算)

  • この試算での米国の57年間の核兵器関連予算総額は、5兆4,810億ドル。57年間の国家予算総額の10.6%相当(予算項目第3位)。
  • エネルギー予算は、全予算の 0.6 %(第19位:最下位)。
  • 米国の2020会計年度国防予算全体 7,500億ドル(2019年3月11日議会提出)
    (エネルギー省の核兵器設備の維持など 320億ドルを含む)。
    (米国2020会計年度:2019年10月~2020年9月)
  • この米国防費は、米国の2020年度の予算総額 4兆7,460億ドルの15.80%に相当。
  • 中国の2020年度(1月~12月)の国防予算(2020年5月22日公表額)は、前年度比6.6%増の1兆2,680億元(約1,781億6,000万ドル:1ドル=7.11元)。実際は公表額の5~6倍が通説。
  • 日本の防衛関係費(2020年度予算)5兆3,133億円(政府予算総額102兆6,580億円の5.176%)

米国の核開発費用
1940~1996年の57年間の国家予算各項目別順位(グラフ)

米国の核開発費用

(ブルッキングス研究所試算)

  • 核兵器関連予算-57年間予算総額の10.6%相当
  • エネルギー予算は全予算の 0.6%

米国・ロシアの戦略核兵器:「New START条約」下での総数

米国・ロシアの戦略核兵器:「New START条約」下での総数

(2020年3月1日現在=米国務省 2020年7月1日公表)

  • 米国国務省が、New-START条約の削減実施期限であった2018年2月5日以降(2020年3月1日時点)の米国、ロシアの戦略核兵器数を公表。
  • New START条約の削減実施期限である2018年2月5日以降(米・露とも削減目標達成)の米国、ロシア共に ICBM、SLBM、Heavy Bomber の数に大きな変化はなく、それぞれ少数の削減がなされている。
  • トランプ政権では、2018年2月2日に「核態勢の見直し(NPR)」(4回目)を公表したが、その後も大きな変化は見られない。今後トランプ政権が、New START条約の有効期限である2021年2月5日を踏まえて、Post 「New START Treaty」 にどのような対応を図るか注視する必要があるが、大統領選や新型コロナウイルスの感染対策が急務で、それどころではないとの状況か。
    (NPR: Nuclear Posture Review)
  • New START 条約 は、両国が合意すれば、有効期限をさらに5年間延長することができる。

米国とロシアの核兵器数の表(2020年3月1日現在)

  • 各項目の上段(2011年2月5日)のデータは、New START発効時のICBMなどの保有数、中段(2020年3月1日)が最新データ(削減実施期限2018年2月5日後)、下段の「Limited」は当条約の削減達成目標数。
  • 2021年2月5日にNew START条約の有効期限切れ(失効)。5年延長が可能。

<1段目:就役中の 「ICBM・SLBM・Heavy Bomber」 総計>(「Limited」は700機)

  • 米国の就役中(配備中)のICBM(MM-III)、SLBM(Trident-II)、重爆撃機(B-2A、B-52H)の総数が655基(機)、(2011年2月より▲227基)「Limitted」は達成済み。
  • ロシアのICBM、SLBM、重爆撃機(個々の名前無し)の総数が485基(機)、(2011年2月より▲36基)当初から700基(Limitted)以内。

<2段目:1段目の就役中のICBM・SLBM・Heavy Bomberに搭載している核弾頭数>(「Limited」は1,550発)

  • 米国の配備中のICBM、SLBM、重爆撃機で就役中の核弾頭総数は1,372発(2011年2月より▲428発)
  • ロシアの配備中のICBM、SLBM、重爆撃機で就役中の核弾頭総数は1,326発( 2011年2月より▲211発)
  • 米・露とも目標を達成済み。

<3段目:1段目の数に、非就役中のICBM発射装置・SLBM発射管・Heavy Bomberを加えたもの>(「Limited」は800基(機))

  • 米国の就役中(配備中)と非就役(非配備)のICBM・SLBM発射装置、重爆撃機の総数は、800基(機)( 2011年2月より▲324基)、Limited達成済み。
    (内、非配備のサイロ・発射管・重爆撃機の総数は148基(機))
  • ロシアの就役中と、非就役のICBM・SLBM発射装置、重爆撃機の総数は、754基(機)( 2011年2月より▲111基)、Limited達成済み。
    (内、非配備のサイロ・潜水艦やトラックの発射管・重爆撃機の総数は252基(機))

(ロイター:2017年11月29日レポート)

  • New START条約では、陸上(サイロ)や潜水艦から発射される弾道ミサイル、巡航ミサイルの「運搬」方法、水爆自体の設計については全く言及していない。したがって、米ロ双方は自国兵器の殺傷力を飛躍的に向上させ、運搬手段もアップグレードしている。そのため、核弾頭や運搬手段の数を増やすことなく、兵器はより大型化し、精度を高め、危険な新機能も搭載されるようになった。
  • 2017年3月1日に発行された「Bulletin of Atomic Scientists」の記事は、米国の弾道ミサイルの「殺傷力」は約3倍になったと指摘。米国の近代化プログラムは「米国が保有する弾道ミサイルの照準能力を大いに向上させる革新的な新技術を導入した」と、筆頭著者で米科学者連盟(Federation of American Scientists:FAS)の核情報プロジェクトの責任者ハンス・クリステンセン氏は、「驚くべき能力増強だ」と述べている。
  • 同クリステンセン氏によると、最も懸念すべき変化は、改良された新型の潜水艦発射弾道ミサイル「トライデント-II」だという。これには、核弾頭に爆発するタイミングを伝達する新たなセンサー「ヒュージング」装置を搭載。長い間、トライデントのヒューズ(信管)は不正確で、わずか20%程度の命中率。新たなヒューズは「百発百中」だと同氏は言う。
  • New START条約の下では、米国のオハイオ級原子力潜水艦14隻がトライデント20基を装備。トライデント1基当たり最大12発の核弾頭が搭載可能。トライデント-IIの公式射程距離は7,456マイル(約1万2,000km)、地球外周の約3分の1。実際の射程距離はそれよりも長いことはほぼ確実と、外部の専門家らは指摘。

軍縮関連条約など

軍縮関連条約など

1987年12月、中距離核戦力全廃条約(INF条約)締結。その条約交渉時に、ミハイル・ゴルバチョフ・ソ連共産党書記長は、ロナルド・レーガン大統領に対し、米国のSDI計画(通称:スターウォーズ計画)を10年間止めるなら、ソ連は核廃絶を行う用意があると表明。しかし、レーガン大統領はSDI計画を停止しなかった(できなかった?)

ゴルバチョフ書記長は、SDI計画の停止をキッカケにして、米国と共に核廃絶を達成したかった? ゴルバチョフはレーガンと異なり、軍部のコントロールが可能だったようだ。
(オバマ大統領のノーベル平和賞(2009年受賞)より、ゴルバチョフ大統領(1990年3月15日、大統領制の導入と共に、大統領就任)の方がノーベル平和賞の意義がある。もっと大々的に表明していればのことだが。)

  • 2008年4月6日、米・露(ブッシュ大統領・プーチン大統領)首脳会談による戦略枠組み「ソチ宣言」採択。(ロシア南部の都市「ソチ」で。2014年2月7~23日 ソチで第22回冬季オリンピック開催)
    • 米・露が互いに戦略的脅威と見なした時代は終わったと再確認
    • 米・露が戦略的競合から戦略的パートナーシップに引き上げ
    • パートナーとして安全保障を促進し、国際テロや大量破壊兵器の拡散などの平和への脅威に立ち向かう
  • 2009年7月6日、オバマ=メドベージェフ会談で、START-1の失効(2009年12月)に代わり、「New-START」条約を合意。
    1)戦略核弾頭=上限を、現状2,500発から 1,500~1,675発に削減。
    2)運搬手段(ICBM・SLBM・爆撃機)=500~1,100に抑制。
    • 2010年4月8日、上記 New-START条約に署名。
    • 2010年11月3日、ロシア下院外交委員会は、2010年4月に、オバマ=メドベージェフが調印したNew-START条約について、2010年7月に米下院に対して批准勧告を出していたが、それを取り消した。米国の中間選挙(2010年11月2日)で、共和党が下院の過半数を占めたための懸念から。
    • 2010年12月22日、米上院が条約を批准
    • 2011年1月25日、 ロシア下院が条約を批准、1月26日、ロシア下院が条約を批准
    • 2011年2月5日、 発効
  • 核兵器禁止条約(Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons または Nuclear Weapon Ban Treaty)は、核兵器の全廃と根絶を目的として起草された国際条約。「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約」
    • 2017年7月7日に、122か国・地域の賛成多数により採択
    • この条約は、50ヵ国の批准で90日後に発効。2017年9月20日にガイアナ、タイ王国、バチカン市国の批准を皮切りに、2020年7月16日にボツワナの批准で40カ国・地域が批准、2020年8月6日にアイルランド、ナイジェリア、ニウエが、2020年8月9日にセントクリストファー・ネイビスが批准手続きを終了し、2020年9月21日に地中海のマルタが批准し、批准国45カ国、発効まで残り5カ国となった。
      (署名国は、2020年7月22日にスーダンが署名して82カ国・地域)
    • 2020/10/24 で、批准国が50カ国となり、90日後の2021/1/22 に発効した。
    • 全ての核保有国(米、露、中、英、仏、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮)は不参加、アメリカの核の傘の下にあるカナダやドイツなどNATO加盟国や、親米で二国間軍事同盟を結ぶ日本、オーストラリア、韓国なども不参加。

原子炉級Puで核兵器は作らない

原子炉級Puで核兵器は作らない

(軽水炉から取り出された原子炉級Puで核兵器を作った「バカ」はいなかったし、
作った国や組織もなかった。その理由を3つの例で説明)

-例1-
「核兵器級・原子炉級プルトニウムの同位体組成」表
(故・今井隆吉・元軍縮大使 作成)
(表中のコルダーホール(英国の原子炉)は、本来プルトニウム(Pu)生産炉で、発電は副産物)
  • Pu-240の含有率が 7%以下のPuは、核兵器用核物質として使用。
  • Pu-240の含有率が 7%以上のPuは、Puの自発核分裂により中性子の発生が増加し、その中性子によりPu-239自体が劣化(不安定化)すると共に、取り扱う兵士の被曝量が増大する。また、自発核分裂による発熱量が増えるために爆弾には冷却装置が必要となる。
  • 従って、Pu-240の含有率が7%以上のPuでは、冷却装置付の、勝手に爆発する可能性の高い「核・爆・発・物」を製造することは出来るだろうが、兵器には適さない。
  • 軽水炉の使用済燃料から分離されたPuには、Pu-240が25%前後も含まれているため、それで核兵器を作った国も組織も無い。
  • 現在の軽水炉では、40,000MWD/t 以上にまで燃料を燃焼・消費するので、Pu-240の含有率はさらに高くなる。
-例2-
Pu-239の分離、濃縮は不可能
  • Pu-239を、天然ウランのU-235のように、他のPu同位元素から分離(濃縮)できるか否かは、否。ウランはU-235(核分裂)とU-238(非核分裂)とでは質量数が「3」異なるため分離(濃縮)が可能であるが、原子炉で作られたPu-239(核分裂)とPu-240(非核分裂)では質量数が「1」しか違わず、分離(濃縮)は不可能
-例3-
朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)プロジェクト
  • 北朝鮮の非核化を条件に、米国が北朝鮮に提供しようとした原子力発電所(KEDOから提供)は軽水炉である。
  • KEDOプロジェクトは、2002年10月に北朝鮮がウラン濃縮計画を進めようとした疑惑が生じ、また、2005年2月に北朝鮮が核兵器保有を宣言したため、最終的には2005年11月に中止された。建設進捗率は35%だった。
すなわち
  • 原子力発電所の使用済燃料から分離したPu(原子炉級プルトニウム)は、日本も、再度、原子力発電所の燃料として使用するために保有しているが、原子力発電所の燃料として使用する以外に利用価値は無い。
  • なぜなら、この使用済燃料から再分離されるPuには、Pu-239の同位体であるPu-238、Pu-240、Pu-241等が多く含まれ、それら同位体には多くの物理的、技術的問題点があると共に、発熱体であり、放射線源であり、勝手に核分裂してしまう特性がある。
  • そのため、技術的に不安定で信頼が置けない原子炉級プルトニウムで、敢えて核兵器を製造し、保有するメリットは全くない。インド、パキスタン、或いは北朝鮮でさえ、核兵器には兵器級プルトニウム或いは高濃縮ウランを使用し製造している。
  • 原子炉級プルトニウムで核爆発装置を作る以外に手段のない国、或いは集団にとっては、この「核爆発装置」の作成は技術的に難しく、例え技術的に可能である国にとっては、兵器としての信頼性に欠けるというのが実体であろう。つまり「作れるかどうか」ではなく、「作る意味があるかどうか」の問題であり、答えは「ノー」である。

自然放射線・人工放射線(参考)

自然放射線・人工放射線(参考)
  • 体重60kgの人は、自分の体内に、カリウム40(K40)を4,000ベクレル(Bq)、炭素14(C14)を2,500Bq含有している。(体重1kg当たり100Bq強)(1Bq=1個の原子核崩壊/秒)
  • これら体内含有の放射性物質により、年間約0.3mSv/年を内部被曝。
  • 飲食品中放射線量(Bq/kg): 食パン=30 米=30 牛乳=50 牛肉=100 魚=100 ほうれん草=200 生わかめ=200 ポテトチップス=400 生椎茸=700 干し昆布=2,000 ビール=10
カリウム40(K40
  • 成人で、食品摂取により、カリウム約140g程度が体内に保持される。カリウム全体に占めるK40(半減期12.48億年)の割合は、0.0117%と一定。カリウム1gの放射線量=30.4Bq
  • カリウムはコンクリートや花崗岩に高濃度に含まれる。
  • 天然にはカリウムの存在量が多いため、K40は、トリウム、ウランとともに、自然放射線量の1/3を構成する。
炭素14(C14
  • C14は、成層圏で窒素(N)原子に熱中性子が吸収されて生成。半減期5,730年。木材などに定期的に吸収(光合成)されるため、木製の仏像などの年代測定に使われる。
    (過去3,000年の間には、奈良時代である西暦774~775年に宇宙線が増加し、通常のC14の、太陽活動周期11年の変化率の20倍に相当する量が地球に降り注いだ。原因は不明(2012年6月4日読売、他:名古屋大学太陽地球環境研究所報告)(ガンマー線バースト?))
ラドン222(Rn222
  • Rnの同位元素の中では、Rn222の半減期(3.82日)が最も長い。土壌や岩石中のラジウム226(Ra226)が崩壊して希ガスのRn222となり、大気中に放出。岩盤の上やヨーロッパなどでの石の建物、コンクリートのビル、また、換気があまりされない室内ではラドン濃度が高くなる。
全体として
  • 大地からの放射線は地域により異なる。日本では、関西・中国地方は放射性元素を多く含む花崗岩地帯が多いため、ガンマ線量が多く、関東平野は火山灰地のため、ガンマ線量が少ない。
  • 原子力発電所の境界: 0.05mSv/年
  • 海抜3,000mの山・地域の宇宙線被曝:1mSv/年(平地では0.3~0.4mSv/年)
  • 東京-ニューヨーク間・航空機往復:0.19mSv
  • 放射線医療従事者:1.33mSv/年
  • 航空機乗務員:2~5mSv/年
  • 宇宙飛行士:1mSv/日、宇宙飛行士の滞在は半年に制限(合計180mSv)
  • 短時間に100mSvを超える放射線被曝で、白血病などとの関係に比例性が認められる。
  • 250mSv以上で、リンパ性白血球の減少が見られる(急性)
  • 1,000mSvで、急性放射線障害(急性)
  • 3,000~5,000mSvで、50%が死亡(急性)
  • 7,000~10,000mSvで、99%が死亡(急性)

(参考)

  • 米国陸軍工兵隊の資料: タバコ1日2箱の喫煙で、80mSv/年の被曝。リン鉱石から造られる肥料から、ポロニウム-210(Po210)がタバコの葉に付着(ポロニウムは少なくとも2%が肺がんの原因)、フィルターを通して吸っても97%が通過
ポロニウム210(Po210
  • Po210は、α崩壊、半減期138.4日、親核種は鉛210:半減期22.3年
  • 初期の原爆の起爆剤である「中性子発生源」にベリリウムと一緒にポロニウム210が使われていた。
  • 1960年代にタバコとタバコの煙にPo210が含まれていることが証明。米国のたばこ会社でも1968年に確認。各国のたばこ会社でも確認。
  • 1日1.5箱タバコを吸い続ける人は、1年間でレントゲン撮影を300回行うと等しく被曝するとの計算もある。
  • 受動喫煙が原因と思われる日本の死亡者推計:年間15,000人(2016年5月31日発表・厚労省、国立がん研究センター)。
  • 受動喫煙が原因と思われる世界の死亡者推計:年間600,000人(世界保健機構:WHO)