地球温暖化防止に何ができるか

地球の歴史のなかで、人類にとって最も生存し易い時期は、言うまでもなく人類が出現したと考えられている20万年前から現在までで、この間が如何に安定した、穏やかな環境であったか、神に感謝すべきだ。

地球創世時期46億年前の地球大気は、太陽と同じ高温高圧の水素とヘリウムで、それらが原始太陽の強烈な太陽風によって数千万年の間に吹き飛ばされた。その後、太陽風も徐々に弱くなったが、今でも大気の一部が吹き飛ばされており、最近、月で地球の酸素が確認されている。その後、地球自体の表面の温度も下がり、地殻が形成されることにより火山の激しい噴火活動が起こり、二酸化炭素(CO2)とアンモニアが大量に放出された。この時期の原始的な大気には多量の水蒸気も含まれていた。

41億年から38億年前には、多数の小惑星などが地球などの惑星に降り注いだ時期だ。月面のクレータで判るとおりである。40億年前後からは地球表面温度の低下に伴い大気中の高濃度の水蒸気が凝縮し、原始海洋を形成した。生物の起源もこの時期から始まり、しかも32億年前には光合成する生物が現れ、27億年前には大量に発生し、海水中に酸素を供給した。20数億年前後には海中から大気中にも酸素が供給され、紫外線と反応し、オゾン層が形成された。さらに酸素濃度が増加するにつれオゾン層は成層圏に上昇し、DNAを破壊する紫外線が地表から減少、海中生物が陸上に移る環境が整った。

8億年前から6億5,000万年前には、地球全体が凍結する氷河期が数回到来し、6億年前には酸素濃度が現在の水準(現在の大気中の酸素濃度は約21%)にまで達する。4億6,000万年前から4億3,000万年前にも氷河期が生じ、この氷河期の末期には生物の大量絶滅が生じている。

5億年前から4億年前の間のCO2の濃度は、現在の20倍程度(現在の大気中のCO2濃度は0.03%)あり、この時期に植物や節足動物の海からの上陸がなされている。3億6,000万年前は温暖期であり、石炭の元となった大森林が各地で形成、植物の活発な光合成によりCO2が減少し、温室効果が減少、寒冷化し、酸素濃度が増えた時期となった。その後3億5,000万年前から2億5,000万年前までは氷河期、この間の3億年前には昆虫類が拡大、ゴキブリも出現、CO2濃度が現在程度となり、酸素濃度が35%程度となった。その後、樹木を分解できる菌類の登場により、酸素濃度が減少し、CO2濃度が徐々に増加する。

2億5,000万年前には、大陸が一つに成る超大陸パンゲアが形成され、それにより活発化した火山活動により、生物の95%程度が死滅した。この火山活動はCO2の大量の放出、気温、海水温の上昇を招き、氷河期に海底に蓄えられたメタンハイドレートをも大量に気化した。その結果、CO2と水蒸気が大量に発生し、酸素濃度の極端な低下となった。この時も生物の大量絶滅となったが、低酸素濃度に適応した恐竜は生き残った。

2億年前には、酸素濃度が12%まで減少し、CO2濃度は現在の数倍~10倍に増加したが、この前後は温暖な気候が続き、以降、酸素濃度が増加し、CO2濃度が減少する。生き残った恐竜は1億年前には全盛期を迎えるが、6,550万年前に生物の絶滅、恐竜も絶滅した。隕石の落下による地球環境の激変が原因との説が有力である。

その後5,500万年前に、突発的な温暖化現象が生じた。これは北大西洋の海洋底での火山活動の活発化により、大気中にCO2やメタンなどの温暖化ガスが大量に放出したためである。この時も海底のメタンハイドレートの融解により、大気へのメタンガスの放出によるCO2と水蒸気の増加と相まって、海面温度が3~4度、亜熱帯では気温が20度も上昇した。しかし、4,000万年前になると、南極大陸での氷河の形成など徐々に寒冷化が進む。

70万年前頃からは10万年周期の大幅な気候変動が見られるようになる。約23万年前頃が温暖期のピークに、その後14万年前頃に氷期のピーク、さらに急速に温暖化し、13万年前から12万年前が温暖化のピークとなった。その後も約11万年前頃から緩やかに寒冷化、温暖化を繰り返し、徐々に氷期に向かった。我々ホモ・サピエンスがアフリカに出現したのが約20万年前、6万年前頃に各大陸に広がった。

その後も地球温暖化に伴う海面の急速な上昇や、ウルム氷河期(約2万年前、最終氷期)には気温が年平均で7~8度下がり、氷河が発達、海水面が現在より100~130m低くなった。さらに温暖化と寒冷化の小さな繰り返しがあり、長期的には温暖化に向かった。1万年前から8,000年前に現在と同じ環境となる。

自然の摂理の中での地球環境の移り変わりを駆け足で説明したが、このように地球史上の温暖化、寒冷化などの大きな変化に、あらゆる生物が右往左往、時には消滅と再生を繰り返してきたわけである。現在の短期的な穏やかな生息しやすい地球環境を謳歌している人類にとって、他の動物と比し、その生息が可能な環境条件の幅はかなり限られていることは確かである。この過ごしやすい地球環境を維持、継続、そのための改善は、神から預かっている命題であろう。

1760年代に英国で起こった産業革命が世界に拡がり、それ以来エネルギー大量消費時代に突入した。人口も、西暦元年頃には3億人程度と考えられているが、西暦1800年には10億人弱となり、210年後の2010年には約73億人と急速に増加していることも地球環境問題の大きな要因となっている。この様な急激な人口増、生活水準の向上のためのエネルギー多消費、それに伴うCO2を中心とする温暖化ガスの増加は今後も避けられず、その対応が世界的な緊要の課題となっていることは、世界中の為政者など多くの方々が理解しているところである。

しかしながら、このままの温暖化ガスの放出が続くと、200年後、最悪の場合には80年後に人類が絶滅してしまうと警告する学者もいる。CO2などの増加が、やはり温暖化要因である水蒸気を増加させ、その相乗効果によりさらに気温、海水温を上昇させる。海水温が平均2度上昇すると、寒冷化時期に海底に蓄積されたメタンハイドレートが大量に気化し続け、さらに気温が上昇する。メタンガスと酸素の結合により、大気中のCO2と水蒸気が指数関数的に増加する。CO2の大気中の割合が3%以上になると、人間はめまい、頭痛、吐き気、7%を超えると意識を失うという。CO2が地球温暖化ばかりではなく、人類の生存に直接的な影響を与えるレベルになる。

では、どうすれば良いのか。エネルギー資源の節約に他ならない。無駄なエネルギー消費を削減するには、パリ協定(COP21)の目標値を超えた、率先した温暖化ガス削減行動を工業先進国、化石燃料多消費国は果たさなくてはならない。内燃機関のさらなる効率化促進は当然ながら、例えばガソリン自動車の利用は極力避ける、我慢するなど、節約に効果的な方法を一つ一つ実践していくことである。

また、化石燃料代替エネルギー源の活用促進である。太陽は地球の生物にとって不可欠であり、地熱も地球を暖かく保っている重要なエネルギーである。太陽は核融合、地熱の半分は核崩壊熱で、いずれも膨大な原子力によるエネルギーである。「原子力は嫌い」と言う人も、脱原発を進める政党も、そのエネルギーで生命や活動が保たれている。

化石燃料を炭酸ガスに替えてエネルギーを得るよりは、原子力発電は当然ながら、水力、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどの一層の利用促進を図る必要がある。勿論それぞれに特長や弱点があるのでお互いに補完し合い、より効率的な普及を行わなくてはならない。そのため、それら石油代替エネルギー源の地球規模での技術協力を強力に進めることが各国の為政者、産業人に望まれる。

自然の摂理での地球環境の変化によるのではなく、人間の飽くなき化石燃料の消費により、子孫が、人類が滅亡することだけは避けたい。

(編集部)